温泉詣
久しぶりにフロントに正月飾り付けして走っている車を見かけた。我が家でそのようなことをしていた記憶は一切ないけれども、あれはヤンキーテイストなバッド・センスというより、トラック野郎のような“貌”として捉えると面白く感じられる。あるいは車祓いをするような感覚でのちょっとしたアニミズム的な感じというか。
温泉好きとしては、今年最初の温泉つまり温泉詣をせねばなるまいということで、武雄温泉に行く。ここの楼門と武雄温泉新館は、先日100周年を迎えた東京駅と同じ辰野金吾によるもの。
年間を通じていちばんのかきいれ時ともあって、人、ひと、ヒトでひしめき合っている。滋賀県から来ている親子が、あつ湯のあまりの熱さににたじろいでいる姿を尻目に浸かるが、当然我慢しているのである。ただこれだけ熱いと皮膚が軽く麻痺するというか、しばらく冷えないのもたしか。
諸事情で武雄市図書館にも立ち寄る。何かと運営や在り方から賛否両論も多い図書館であるが、イチ客としては、夏葉社の本や四月と十月文庫が特集されているような発見のある本棚や、レンタルスペースの品揃えの豊富さなど、佐世保を含めた周辺の店舗はない充実っぷりは評価したいもの。
ひとっ風呂浴びて、お腹も空いたので餃子会館へ。実は指摘されるまで知らなかったが、ここの餃子は俗に“ホワイト餃子”と呼ばれる千葉にある餃子チェーン店ののれん分けを受けているのだそうな。肉まんなどを思わせるやや厚めの生地はクセになる。こちらも人だらけで出てくるのも時間がかかったが、店を出た時点でまだ18時で、むしろこれから客が来るという段階だったので早めに行けて、むしろ良かったのだな。
帰宅して何気なくつけていたEテレ『建築は知っている ランドマークから見た戦後70年』がやけに面白い。ハウステンボスも紹介され、住めるテーマパークという視点にはなるほどと思わされたが、きれいに区割りされた分譲住宅地ワッセナーを上空から見るとまるでシムシティでつくられたようだという感想を抱くゲーム脳。途中からだったので再放送があるのなら、しっかり録画しておきたい作品。